昨日は、幹音と派生音のお話をしましたね。

この内の “派生音” を作るときに使われるのが
今日のテーマである『変化記号』です。

すでに説明の中で登場しているものもありますが、
他にもいくつかの種類がありますので、ここで確認しておきましょう。

◆5つの変化記号

変化記号は全部で5つありますので、順に見ていきましょう。

●♯(シャープ)

まずは♯(シャープ)

これは『半音上げる 』という意味の記号ですね。

実際の楽譜では次のように使われます。

ちなみに、♯は日本語で『嬰記号』とも呼ばれています。

これは邦楽(日本の伝統的な音楽)の中で使われる音を
一律(つまり半音)高くしたものを
「 嬰商」や「嬰羽 」と呼んでいたことからつけられたようです。

現代人にはあまりピンときませんが、
日本に西洋音楽が入ってきたのは明治時代ですから
その当時の日本人に分かりやすいようにということで
このような訳が当てられたのでしょう。

そこから、上記の譜例のように「ソ(ト)」に♯がついた音を
『嬰ト音』と呼ぶこともありますが、現代では普通に
『ソの♯』と呼んで問題ありません。

●♭(フラット)

この♭(フラット)は、♯とは反対に
『半音下げる』という意味の記号ですね。

実際の楽譜では、次のように使われます。


♭は日本語で『変記号』と呼ばれていますが、
これも嬰記号同様、邦楽の世界で使われる音を一律(半音)下げたものを
「変宮」「変徴」「変商」などと呼んでいたことに由来するようです。

上記の譜例のような場合は『変ト音』と呼ばれることもありますが
やはり、『ソの♭』と呼んで問題ありません。

●♮(ナチュラル)

♯や♭がついた音を元に戻すときに使われるのが
♮(ナチュラル)です。

実際の楽譜では次のように使われます。

あくまでも変化した音を元に戻すための記号ですから
原則として、♮だけが単独で使われることはありません。

また♮は『本位記号』と呼ばれることもあります。

元に戻す役割ですので変化記号には含めないこともありますが
セットで覚えておくほうが良いでしょう。

●ダブルシャープ

半音上げた音を、さらに半音上げる記号が『ダブルシャープ』です。

実際の楽譜では次のように使われます。

日本語では『重嬰記号』と呼ばれることもあります。

「ソの♯がさらに半音上がるということはラの音と同じじゃないのか」

と、思われるかもしれませんが、
ダブルシャープで表さないといけないケースもあるのです。

なぜそうなるのかは別の機会にお話しますので、
ここでは、こういう記号もあるということを覚えておいてください。

●ダブルフラット

ダブルシャープとは反対に、半音下げた音をさらに半音下げるのが
『ダブルフラット』です。

実際の楽譜では次のように使われます。

日本語では『重変記号』とも呼ばれています。

これも

「ソの♭がさらに半音下がるということはファじゃないか」

と思われるかもしれませんが、
やはりダブルフラットで表さないといけないケースもあります。

ダブルシャープの場合と同様、ひとまずは
こういう記号もあるということを覚えておいてください。

◆今日のまとめ

今日は、5つの変化記号をご紹介しました。

ダブルシャープやダブルフラットはあまり出てきませんが
♯や♭、それに♮は使う頻度も多いですから
しっかりと覚えておいてください。